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藍染の洗濯方法|色落ちさせない正しいケア

藍染の服や布を手にしたとき、

多くの人が気にするのが「どう洗えばいいのか」ということだと思う。


藍の仕事をやっていてお客様に必ず聞かれる事です。

大事な事なので今回は重複するかもしれませんがしっかりとお伝え出来るようにします。


色落ちしそう。

他の服に色移りしそう。

普通に洗っていいのかわからない。


実際、その不安は間違っていない。

藍は一般的な化学染料とは少し性質が違うから、洗い方にも少しコツがいる。


ただ、ここで大事なのは

藍染は特別に難しいものではないということ。


少しだけ性質を理解して、少しだけ付き合い方を変えればいい。

それだけで藍の色は落ち着き、布は馴染み、使うほどに良い表情になっていく。


今回は、藍染の洗濯方法について

色落ちの理由も含めながら、できるだけわかりやすく整理してみたい。

藍染の服は値段もしっかりしているので着るなら大切に着て貰いたい。長く藍の色と付き合ってもらう為に是非ご一読頂けたらと思います。




なぜ藍染は洗濯で色落ちしやすいのか


まず前提として、藍染の色は

繊維の奥まで完全に入り込んで固定されているわけではない。


藍の色素は、染める段階では還元されて水に溶けた状態になっている。

そこから布を引き上げて空気に触れさせると、酸化して青に変わる。


このとき色素は、繊維の表面やその近くに非常に細かい粒子として定着していく。

つまり藍の青は、表層に何層も重なって発色している色だ。


だから洗濯や摩擦によって、

表面に残っている余分な色素や、まだ落ち着いていない粒子が少しずつ動く。


これが藍染の色落ちの正体になる。


ここでいう色落ちは、必ずしも失敗や品質不良ではない。

藍という染料の構造そのものに由来する、自然な変化でもある。


だから藍染の布や服を洗うというのは、

色をゼロにしないように守ることというより、

余分な色素を落ち着かせながら、布と色を馴染ませていくことに近い。



藍染の洗濯でまず覚えておきたいこと


藍染を洗うときに一番大事なのは、

「強く洗わない」「他の服と混ぜない」「濡れたまま擦らない」

この3つだと思う。


特に染めたばかりのものや濃色のものは、表面に余分な色素が残っていることがある。

その状態で白い服や淡い色の布と一緒に洗うと、色移りの原因になりやすい。


洗濯というと、汚れをしっかり落とすことを優先しがちだけれど、

藍染に関しては「必要以上に刺激しない」方がうまくいく。


汚れを落とすことと、色を安定させること。

このバランスを取るのが藍染の洗濯だ。



基本の洗い方

|最初のうちは単独洗いが安心


藍染の服を洗うときは、

最初の数回は単独で洗うのが基本になる。


特にTシャツ、シャツ、ストール、バッグのような

肌や他の布に触れやすいものは、最初の扱いがかなり大事だ。


おすすめの流れはシンプルで、

1. 裏返す

2. 洗濯ネットに入れる

3. 単独で洗う

4. 水かぬるま湯でやさしく洗う

5. 脱水してすぐ干す


これが基本になる。


裏返すのは、表面の摩擦を減らすため。

ネットに入れるのも同じ理由だ。

洗濯機の中では、思っている以上に布同士が擦れている。


その摩擦が強いほど、藍の表層も動きやすくなる。


だから藍染を洗うときは、

汚れを落とすというより、布をなるべく暴れさせないように洗う

という感覚の方が近い。


デニムを洗濯機で洗った後に洗濯槽が青くなっている事を経験した方も多いと思います。



洗剤は何を使えばいいのか


洗剤は、中性洗剤などのやさしいものが使いやすい。


強い酸性、アルカリ性の洗剤や漂白成分の入ったものは、

色や生地への負担が大きくなりやすい。


ウール、シルク、革の動物性繊維はアルカリ性に弱く

綿、麻、等の植物性繊維は酸性に弱い


特に避けた方がいいのは、

漂白剤

蛍光増白剤入りの洗剤

強力な洗浄力をうたう洗剤

長時間のつけ置き


藍染は、汚れだけを落として色にはまったく影響しない、という洗い方がなかなか難しい素材でもある。


だからこそ、

「落としすぎない」くらいの洗い方の方が結果として長持ちしやすい。


日々の着用時の汗程度であれば中性洗剤を少なめもしくは水洗いでも十分



手洗いと洗濯機、どちらがいいのか


理想を言えば、最初のうちは手洗いの方が安心だ。


水を張って、やさしく押し洗いする。

擦らず、揉みすぎず、短時間で終える。

それだけでかなり違う。


ただ、毎回それを続けるのは現実的ではないと思う。

なので日常使いの中では、洗濯機でも問題はない。

ただし条件があって、

単独洗い

洗濯ネット使用

弱水流やおしゃれ着コース

脱水は短め


このあたりは守った方がいい。


藍染は、洗濯機だからダメというより、

強い水流と摩擦が続く洗い方が合わない

という理解の方が正確だと思う。



乾かし方にも気をつけたい


洗ったあとも意外と大事だ。


専門用語で[湿摩擦](しつまさつ)と言います。

藍の色素はこの湿摩擦に弱い。

濡れた状態の藍染は、乾いた状態よりも色が動きやすい。

だから洗濯後は、できるだけ放置せず早めに干した方がいい。


洗濯槽の中に入れっぱなし。

濡れたまま丸めて置いておく。

他の洗濯物と重ねたままにする。


こういう状態は色移りの原因になりやすい。


干すときは、形を整えて陰干しが基本。

直射日光がすべて悪いわけではないけれど、

強い日差しに長時間当て続けると、生地や色への負担は出やすい。


風通しのいい日陰で自然に乾かす。

これが一番無理がない。



色落ちさせないというより、色を落ち着かせる


ここは少し言葉の問題でもあるけれど、

藍染に関しては「色落ちさせない」という表現が、少しだけ正確ではないと感じる。


藍は、多少の変化が前提にある染料だ。

まったく変わらないまま維持することを目指す素材ではない。


だから本当に大事なのは、

色落ちを完全に止めることではなく、

急激に落とさないこと

余分な色素を落ち着かせること

きれいに経年変化させること

だと思う。


最初の数回を丁寧に扱うだけでも、

その後の落ち着き方はかなり違ってくる。


藍の色は、使いながら少しずつ整っていく。

洗濯もその一部だ。



よくある失敗


藍染の洗濯で起こりやすい失敗はいくつかある。


1. 白いものと一緒に洗う


これはかなり多い。

特に最初の数回は避けた方がいい。

見た目では乾いていても、洗うとまだ色が出ることがある。


2. 汗をかいたまま放置する


汗や湿気を含んだ状態で長く置くと、色移りやムラの原因になることがある。

着たあとは風を通すか、必要なら早めに洗う方がいい。


3. 部分的に強く擦る


汚れた部分だけをゴシゴシ擦ると、そこだけ表情が変わりやすい。

部分洗いが必要なときも、できるだけやさしく行った方がいい。


4. 漂白剤を使う


これは避けたい。

色だけでなく、生地へのダメージにもつながる。



藍染は、手がかかるのではなく、変化する素材


藍染は洗濯が難しいと言われることがある。

でも実際には、極端に神経質になる必要はない。


少しだけ性質が違う。

だから少しだけ扱い方も変える。

それだけのことだと思う。


そして、その少しの違いの先に

均一ではない色の深みや、使いながら育っていく表情がある。


変わらないことを価値にするものは多い。

でも藍は少し違う。


洗い、着て、また洗って、

その繰り返しの中で色が整い、その人の布になっていく。


だから藍染のケアは、

劣化を防ぐためだけの作業ではなく、

色を育てるための付き合い方でもある。



まとめ


藍染を洗うときは、まずその性質を知ることが大切だ。


藍の色は、繊維の表層に重なって発色している。

だから摩擦や洗濯で少しずつ変化する。

けれどそれは欠点ではなく、藍という染料が持つ自然な特性でもある。


何度も伝えますが洗濯の基本は、

最初のうちは単独で洗う

裏返してネットに入れる

やさしい洗剤を使う

弱水流か手洗いで短時間

濡れたまま放置せず陰干しする


このあたりを押さえておけば十分だと思う。


色を落とさないために過剰に守るというより、

急な変化を避けながら、ゆっくり馴染ませていく。


それが藍染との付き合い方としては自然だ。


藍の青は、買った瞬間に完成しているわけではない。

着ること、洗うこと、その時間の中で少しずつ育っていく。


だから洗濯もまた、藍染の魅力の一部なんだと思う。


細かい説明が多い気もする、けれども藍に関わらず一つ一つの染色方法に本来は固有の取り扱い方法が存在する。


専門的な知識ではなく、あくまでも生活の中で少し気をつけるだけで変わる物事で手軽に簡単に手に入り量産、安定的な物が増えた世の中になってしまってる現代では特別に感じてしまうかもしれないが化学染料が現れる前の時代に元々は普通に行っていたケアの方法なのでそこまで難しくは無い。

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